涙の量が減っています。
今日はふくちゃんが骨になって帰ってきました。
カズオさんと受け取りに行って、ちょっとだけ海に寄ってから家に帰ってきました。生身のふくちゃんを(ねこちゃんもだけど)海に連れていくなんて考えられないから、なかなか貴重な経験。
一応骨壷のなかものぞいてみました。
顎の骨についてる立派な歯を見たら、じゃれてかまれたときの痛みを思い出して切なくてまた泣いてしまいましたが、そこにあるのはやっぱりもうふくちゃんでなく「物体」でしかない、とつくづく感じました。だから、執着する気はありません。
良いタイミングで庭に埋めようと思います。
今日一番泣いたのは、洗濯物を干すとき。
ふくちゃんは、私が2Fのベランダで洗濯物を干すときに、何が面白いのかかならず一緒にベランダに出て少し離れた場所に座って私の様子をじいっと眺めるのです。しばらくすると飽きてベランダから部屋に入ってしまうんだけど、全部干し終えて私が部屋に戻るとかならずそこに前足をそろえて座っていました。
見守ってくれているようでうれしくて、面倒な洗濯が楽しい時間に変わったものです。そう、あの日の朝も、ちょこっと首をかしげながら見守ってくれていました。
こんな思い出も、もっと時間が経てばにっこりしながら回想できるんだろうけど、今の私はまだまだ欲深いので「なぜここにいないのか」と涙が止まらないわけです。
でも、確実に涙の量は減っています。
理由はわかってるんです。家の中で生前のふくちゃんの幻を見て胸がぐーっと締め付けられたときに、「さみしい」と言わずに「ありがとう」と口に出すことを始めました。そうすると、不思議と悲しさが半減するのです。
こうやって、ちょっとずつ前に進んでいかないといけないんだね。残された者はそうやって前に進むしかないんだね。ふくちゃんは私に、ただ生きていくことの大変さまで教えてくれました。ありがとう、ふく。